『ーサテライト仮想劇ーいつか、その日に、』
作 矢野青史
※2016年11月、福島県立相馬農業高等学校飯舘校演劇部初演

配信終了
リーディング 演出 矢野青史 出演 福島県立福島南高校演劇部
本編動画

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あらすじ

 東日本大震災と原発事故によって生まれたサテライト校。その閉鎖が翌々日に迫った飯舘校。反発するハルカ、淡々と従うサトル、アルトリコーダーを吹き続けるユキ。そしてそんな3人を見守る飯舘村出身のイクミ先生。それぞれの想いは交錯し、やがて…。

作・演出者者から

●飯舘校生でない者が読むということ
 『―サテライト仮想劇―いつか、その日に、』は、福島第一原子力発電所の事故による放射能被害によって、飯舘村から福島市に避難して建てられた高校、飯舘校サテライト校舎を舞台にしており、当事者性、個別性の強い作品です。今回のリーディングについては「飯舘校生でない者が本作を読むことに意味があるのか?」と疑問を持つ方がいるかもしれません。それに対する私の答は以下の文章です。本作が『演劇と教育』誌に掲載された時のものです。

“誰にでも、どこででも、
 この脚本は、私たち福島県立相馬農業高等学校飯舘校サテライトの物語ですが「仮想劇」でもあります。「いつかあったかもしれない飯舘校の未来」を描いたものです。そういう意味でドキュメンタリー性は強いものの「架空の物語」ですから、「当事者性」に囚われることなく、どうかお気軽にリーディングや上演に取り上げていただけたら幸いです。飯舘校演劇部がなくなってしまった今、この物語を一層広く遠く伝えるには、もはやそうしていただく以外方法がありません。 “

 これは飯舘校の生徒たちの物語です。しかし今、福島南高の部員たちが読むことで、彼女たちは、かつてあった飯舘校サテライトに想いを馳せることになります。動画配信で初めてこの作品に出会った方も、きっとそうしてくださるはずです。かつて舞台をご覧になった方々には当時を思い出すきっかけとなるでしょう。そして皆、「現在」の視点から、また新たな印象を持ってくださるでしょう。
 今は亡き飯舘校サテライトの物語に再び生命を吹き込むには、誰かに読んでいただくことしかない。(そして、それを誰かが観てくだされば更に良いのですが)その考えは今も変わりません。ならば、現在私がいる福島南高校で、その先陣を切ってみよう、と考えました。(勿論、部員の同意の上で、ですが)
 視聴者の皆様が、このリーディングから何を、どのように受け止めてくださるのか?今はただそれが気になって仕方ありません。

●10年目に読むということ
 10年前、福島市に住んでいた私は、大地震の被害はあったものの、それ以上に、放射線被害から子どもや生徒たちをどう守るか、に悩まされていました。そんな頃にふと「あと10年経ったらどうなっているだろう?10年経ったら、きっと全てが元どおりになっている」等と思ったことがありました。そして今、その「10年」です。あの頃、夢見ていた「10年後」が「今」です。「今の私」が、「10年前の私」に何を伝えられるのか?「10年前の私」は「今の私」に何を伝えてくれるのか?それを知るために参加させていただきました。

矢野青史

作者プロフィール

矢野青史
本名:西田直人。神奈川県出身。福島県立高校教員。高校演劇劇作研究会同人。
教員2年目、演劇部顧問になったことがきっかけで劇作・演出を始め、小高商業、郡山、福島明成、相馬農業高校飯舘校、福島南と顧問を続けています。(うち2校は同好会から立ち上げました)部員たちと喜んだり苦しんだりしながら芝居を創ったり、大会や公演に行って上演したりする時間は、私の宝物です。
本作でみやぎ総文(2017)出場。『放課後のヘラクレイトス』で春フェス新潟(2020)推薦。

リーディング 福島南高校演劇部 プロフィール

どうやら学校創立2年目に活動を開始した様子なので、創立33年目となります。その間、県大会6度、東北大会2度、春季全国大会1度(新型コロナで中止)出場の実績があり、自主公演も年1回行っています。
現在、部員は女子14名。(うち3年生3名は引退)どちらかというと控えめな印象の部員たちですが、演劇に対する取り組みは一生懸命 です。稽古が終わった後は、みんなでのど飴を持ち寄った「飴袋」から、中を見ないで1つ取って、なめながら帰ります。

リーディング クレジット

キャスト

ハルカ 佐藤希海
サトル 斎藤美怜
ユキ 黒澤あかり
イクミ先生 松野莉子

アルトリコーダー演奏 齋藤鈴花
ト書き 荒木柚乃・濱尾優花

スタッフ

作・演出 矢野青史
舞台監督 遊佐海希
照明 渡邊絢音
音響 榊原菜穂

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